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入浴剤の種類はどんなものがあるの?

おうちのお風呂に欠かせないものといえば、「入浴剤」です。入浴剤は多くの商品があり、香りやお湯の色、薬事区分、成分によるタイプなど、さまざまな種類があります。

 

今回は入浴剤の種類はどんなものがあるのかを徹底解説します。

 

 

入浴剤とは

入浴剤とは、入浴の際にお風呂の浴槽のお湯の中に投入する物質のことで、薬機法上では医薬部外品、化粧品のいずれかに扱われます。商品によってはどの分類も入らない雑品の入浴剤もあります。

形状では粉末、固形、液体などさまざまで、香りもバラエティ豊かな香りのものが多いですが、香りが一切ない入浴剤もあります成分では化学的に作られたものや天然の植物、温泉成分に由来したものなどが使われており、入浴そのものによって得られる効果が高まります。

 

 

入浴剤の種類

入浴剤の種類は「薬事区分」「形状」「香り」「お湯の色」「系統」「対象者」によってさまざまな種類があります。それらの種類の入浴剤ではどんなものがあるのか解説していきます。

 

薬事区分で選ぶ

入浴剤は「薬機法」によって規制されており、使用目的や成分等により医薬部外品、化粧品の2つに分類されます。

 

医薬部外品(薬用入浴剤)

医薬部外品厚生労働大臣による「製造販売承認制」で、医薬品と同様に厳しく規制されます。しかし、販売については医薬品と切り離し、特に規制はされていません。厳しい基準をクリアし、商品の表示も製造販売業者の名称や住所、製造番号、効能などの表示が決められており、特に効能は医薬部外品で認められている範囲内で表示が決められています。

医薬部外品で認められている効能はあせも・荒れ性・うちみ(打ち身)・肩のこり(肩こり)・くじき・神経痛・しっしん・しもやけ・痔・冷え性・腰痛・リウマチ・疲労回復・ひび・あかぎれ・産前産後の冷え症・にきびの17種類です。配合成分によってはいんきん・たむし・水虫・ひぜん・かいせんが認められている場合がありますが、多くの商品では上記の17種類の効能が表示されています。医薬部外品の入浴剤は「薬用入浴剤」とも言います。

 

かつては医薬品の入浴剤がありましたが、後述する理由により、現在は存在しません。

 

浴用化粧料(浴用化粧品)

化粧品の入浴剤は、薬機法により「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、または皮膚もしくは毛髪を健やかに保つために、体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。」と定義されています。

化粧品の入浴剤は「浴用化粧料」「浴用化粧品」と呼ばれており、表示できる効能は化粧品の効能の範囲に限定されます。

 

雑品(雑貨)

入浴剤は医薬部外品、化粧品の両方に当てはまらない商品があり、この入浴剤を雑品(雑貨)と言います。雑品の入浴剤はお湯の色や香りを楽しむために作られており医薬部外品のように疲労回復や肩こりなどの症状の緩和が目的ではなく、化粧品のように肌を清浄にする、肌に潤いを与えるといった目的ではありません。

 

形状で選ぶ

入浴剤はさまざまな形状があり、形によってそれぞれ特徴があります。

 

粉末入浴剤

粉末入浴剤は名前の通り、粉末の入浴剤で、最もスタンダードなタイプです。商品によって以下に分類されます。

①無機塩類系

硫酸ナトリウムや塩化ナトリウムなど、化学的に作られた主成分がベースの入浴剤で、一般的な入浴剤ではこのタイプが多いです。浴槽のお湯に入れるとさっと溶けるため、風呂釜も傷めにくく、時短にもなります。

無機塩類系のタイプでは保温や疲れをとるための温浴タイプ、夏の疲れなどに対応したクールタイプ、日本の温泉をベースに作られた温泉気分タイプなど、バラエティも豊富です。

②バスパウダー

バスパウダーは無機塩類系と似たような形状ですが、主にスキンケア目的に作られたり、香りや湯ざわりを楽しむ目的で作られています。商品によってはローションのようにとろりとした湯ざわりのタイプや泡風呂に変化するタイプもあり、好みによって商品を選ぶことができます。

 

ただし、ローションや泡風呂のタイプではお風呂から上がった際に床が滑りやすくなりますので、注意が必要です。

 

固形入浴剤

固形入浴剤はさまざまな形に作られた入浴剤で、以下の商品に分類されます。

炭酸ガス入浴剤

固形入浴剤では最もポピュラーな入浴剤で、主成分が炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウムがベースです。お湯の中に入れると錠剤が発泡し、炭酸を発生させるため、人気のある商品です。形状では丸形や楕円形などのタブレットタイプが主流ですが、一部の商品では粒状タイプもあります。

②重炭酸イオン入浴剤

同じ炭酸系の入浴剤ですが、お湯に入れると重炭酸イオンと水素イオンに分離されるタイプです。一般的な炭酸ガス入浴剤と違うのが、お湯に溶け込んでから24時間ほとんど濃度が変わらず、効果を長く持続させるメリットがあるため、近年注目されている入浴剤です。

しかし、炭酸ガスの入浴剤に比べて市場に出回っている商品が少なく、価格も高額です。

③バスボム

重曹クエン酸が主成分の固形入浴剤で、お湯に入れると爆弾のように溶けて、お湯の色と香りが楽しめます。形状がボール型で、主に海外産の商品が多いです。日本国内で販売されているバスボムでは「LUSH」が有名です。

また、他の入浴剤に比べて手作りもしやすいため、自然の材料を使って手作りをする人もいます。

④バスボール・バスフィズ

同じバスボムの一種ですが、バスボールは中にマスコットが入った子ども向けの入浴剤で、バスフィズは球状以外の形をしたもので、商品によっては花びらの形やスイーツの形まであるため、ギフトにもおすすめです。

 

液体入浴剤

名前の通り、液状の入浴剤で、粉末入浴剤に比べてお湯にさっと溶けやすく、長期保存もしやすいです。ふたが計量カップ代わりになっているため、簡単に計量ができます。

商品はしっしん、肌荒れ(荒れ性)を対象にしたスキンケアタイプ生薬・薬草がベースの薬草タイプがあります。

 

塩系入浴剤

100%天然の海水から作られた塩の入浴剤で、バスソルトがおなじみです。粉末入浴剤に比べてお湯に溶けるのに時間がかかりますが、天然の海塩の効果で体を温めることができるため、自然の原料にこだわっている方におすすめです。

塩系の入浴剤のベースは岩塩がほとんどですが、エプソムソルトや食塩で作られた商品もあります。

 

薬草・生薬を刻んだ入浴剤

入浴剤では自然の生薬や薬草を刻んだタイプもあります。この入浴剤は薬草などを刻んだものをパックに入れているため、パックをお湯の中にもむだけで薬草の自然な色が出てきて、香りを楽しむことができます。また、薬草の成分で体を温めたり、症状を緩和することができます。

 

温泉の素を使った入浴剤

粉末や固形の温泉気分の入浴剤とは異なり、主成分が湯の花や硫黄成分がベースの入浴剤です。湯の花は温泉の成分によって結晶化された物質で、大分県別府温泉(明礬(みょうばん)温泉)の湯の花が有名です。硫黄成分の入浴剤は独特の卵の腐ったにおいがあります。いずれも本格的な温泉をおうちで楽しみたい方におすすめです。

 

ただし、これらの入浴剤は追い炊きができず、硫黄成分の入浴剤は入浴以外の用途には絶対に使わないように気を付けてください。

 

その他

これら以外にも、中に粉末や液状の成分が入ったバスカプセルや保湿効果が高いオイルを使用したバスオイルなどがあります。好みに合わせていろいろな形の入浴剤を試してみましょう。

 

香りで選ぶ

香りを楽しむのも入浴剤選びのコツです。さまざまな入浴剤の中から、お好みの香りのものをチョイスしましょう。

入浴剤にある代表的な香りは以下の通りです。

 

花の香りはお花畑にいるような気分で、リラックス気分を味わえます。

入浴剤にある代表的な花の香りではジャスミン、ローズ(バラ)、ラベンダーの3つ。他にもカモミール、桜、リリー(百合)、すみれなどがあります。商品によっては2種類以上の花の香りをブレンドしたものもあり、花が大好きな方にはたまりません。

また、ローズの香りの入浴剤の中には、バラをモチーフにしたバスフィズはバラのお風呂を楽しむだけでなく、インテリアとして自宅に飾ったり、友達へのギフトとして贈るのもおすすめです。

 

柑橘・果物

果物の香りは老若男女問わず人気の香りで、特に柑橘の香りはすっきりとリフレッシュをしたり、テンションを高めたい方におすすめです。

代表する香りでは柑橘類ではゆず、レモン、オレンジ、ベルガモット、グレープフルーツ。シトラスは数種類の柑橘をブレンドしたもので、さまざまな柑橘の香りを楽しむことができます。

柑橘類以外の果物の香りではりんご、いちご、ぶどう、桃、キウイ、マンゴー、パイナップルなどがあります。

 

樹木

樹木の香り(森の香り)は複数の樹木の香り樹木単体の香りがあり、単体の樹木の香りではひのき、ブナ、松の木、ユーカリなどがあります。

樹木の香りは森林浴をしているようなリラックスできる香りで、コロナ禍の昨今はおうちにいながら森林浴気分が楽しめますよ。

 

ハーブ・薬草

ハーブはミント、レモングラス、イランイランなどがあり、すっきりとした香りでリラックス&リフレッシュすることができます。また、先ほど紹介したラベンダー、カモミールユーカリもハーブの一種です。

薬草は当帰(トウキ)や生姜(ショウキョウ)などの複数の生薬の香りから、よもぎなどの自然の薬草まであり、有効成分に生薬や薬草が入った入浴剤では、香りを楽しむと同時に温浴効果を実感することができます。

 

その他

このほか、野菜や海藻、牛乳(ミルク)、アロマオイルのような香り、ラムネ、お茶、お酒まであり、さまざまな香りの入浴剤を楽しむことができます。
また、2種類以上の香りが入ったアソートセットだと、気分に合わせて好きな香りを楽しむことができますよ。

 

反対に香りが一切入っていない無香料タイプもあり、有効成分や保湿成分は必要だけど、香りはいらない方におすすめです。

 

お湯の色で選ぶ

お湯の色で選ぶのも入浴剤の楽しみの一つです。お湯の色の種類は以下の通りです。

 

透明タイプ

透明タイプは無着色ではなく、浴槽のお湯に色がついた入浴剤で、一般的な入浴剤ではこのタイプです。色はグリーン系、イエロー系が中心ですが、香りによってはブルー系やパープル系、ピンク系など、さまざまな色があります。

お湯の色は人工的に作られた着色料を使ったものがほとんどですが、一部の入浴剤では、天然色素を使ったものや成分に由来した色もあります。

 

にごり湯タイプ

にごり湯タイプは、透明タイプのお湯の色に白濁した成分を配合したもので、スキンケアタイプや温泉気分タイプの入浴剤に多いです。にごり湯タイプは透明タイプよりも白く濁っており、温泉に入ったような気分を楽しむことができます。

 

無着色

入浴剤の中には無着色の商品もあります。このタイプでは、お湯の色が人工的なものが苦手な方、有効成分と保湿成分だけで温まりたいまたは肌に潤いを与えたいという方におすすめです。

 

系統で選ぶ

入浴剤の中で特に医薬部外品、化粧品の入浴剤ではさまざまな系統があります。季節や症状などに合わせた4つの系統は以下に分類されます。

 

温浴タイプ

スタンダードタイプの入浴剤で、大手メーカーの主力商品ではこのタイプが多いです。主成分(有効成分)の炭酸水素ナトリウムや硫酸ナトリウムなどを配合し、温浴効果を高めて血行を促進し、疲れや肩こりなどに効果があり、身体を効率よく温めることができます。

 

スキンケアタイプ

スキンケアや保湿を目的とした入浴剤で、化粧品と医薬部外品に分かれます。

医薬部外品の入浴剤では保湿成分などが入浴効果を高め、しっしんや肌荒れ、あせもに悩んでいる方におすすめですが、アトピー性皮膚炎などの重い皮膚の病気には対応していません。化粧品の入浴剤では保湿成分などによって肌をすべすべにしたり、肌の潤いを与えるものなどが目的で、お風呂でスキンケアを楽しむことができます。

 

入浴剤に含まれる保湿成分はヒアルロン酸、コラーゲン、セラミド、シアバター、米ぬかなどがあります。

 

クールタイプ

クールタイプは夏用に対応した入浴剤で、清涼成分にメントールを配合しているのが特徴です。また、お湯の色はブルーやグリーンなどの寒色系、香りはミントやシトラスなどのさわやかな香りを使うものが多いです。

 

温泉気分タイプ

日本の温泉をベースにした入浴剤で、基本的にお湯の色と香り、湯ざわりによって表現されているため、本物の温泉とは異なります。多くが数種類の温泉地のアソートセットで、気分に合わせて好みの温泉地の入浴剤を選ぶことができます。

 

本物の温泉に近い入浴剤がほしい方は、先ほど紹介した湯の花や硫黄成分を配合した入浴剤がおすすめです。

 

対象者で選ぶ

入浴剤の対象者は一部を除き、特に決められていません。しかし、商品では子ども用に開発されたものがあるため、今回は子ども向けの入浴剤と30代以上の大人におすすめの入浴剤について解説します。

 

大人向け

大人向けの場合はほとんどの入浴剤が対象で、年齢制限自体も特に決められていません。

30代以上の方には香りや効能にこだわった、価格がそれなりにする少し高級な入浴剤を選ぶと大人のお風呂が楽しめます。介護状態のご家族がいる家庭では、清拭や沐浴ができる入浴剤があると、体を拭くだけでお風呂が楽しめます。

 

子ども向け

子ども向け入浴剤は主に幼児から小学校低学年までの子どもが対象で、マスコットが入ったバスボールやアニメなどのキャラクターパッケージの入浴剤、2種類以上の入浴剤を混ぜて楽しむ科学実験タイプの入浴剤などがあります。価格もお手頃に買うことができ、お風呂が苦手な子どもも楽しむことができます。

 

ただし、小さい子どもをお風呂に入れる際は、必ず保護者と一緒に入ってください。

 

販売経路で選ぶ

入浴剤を流通している販売先はさまざまで、いろいろなお店で商品と出会うことができます。入浴剤を扱っている主な販売経路を紹介します。

 

ドラッグストア

薬や化粧品などを扱っているドラッグストアでは、多くの入浴剤商品があります。大手メーカーの入浴剤ではほとんどの商品が置いてあります。中小メーカーの商品では一部地域で取り扱っていますが、首都圏や関西圏ではあまり取り扱っていません。一部のドラッグストアでは、店舗限定の大手メーカー商品やお店のPB商品まであります。

 

スーパー

ほとんどのスーパーでも入浴剤を取り扱っているコーナーがあります。大半が大手メーカーの商品ですが、一部のスーパーではお店のPB商品もあります。

 

通販

入浴剤を扱っている中小のメーカーでは公式オンラインショップがあり、地元のドラッグストアやスーパーにない商品もオンラインショップで買うことができます。一部のメーカーでは通販にしかない限定商品もあり、定期購入だと通常価格よりもお安く買うことができます。

 

また、Amazon楽天市場、ヤフーショッピングなどのECサイトや入浴剤専門のサイトでも入浴剤を買うことができます。

www.rocce.jp

 

その他

入浴剤はホームセンターや化粧品店、ファッション雑貨店などでも買うことができます。化粧品店ではお店オリジナルの入浴剤を扱っており、化粧品を買うのと同時に、入浴剤も試してみてはいかがでしょうか。

 

メーカーで選ぶ

初めて入浴剤を選ぶ際は、信頼できるメーカーを選ぶことをおすすめします。ここでは入浴剤の販売シェア上位の大手メーカー4社を紹介します。

 

花王

花王」は大手日用品&化粧品メーカーで、これまでさまざまな商品をリリースしています。

入浴剤では「バブ」「エモリカ」「ビオレU」「キュレル」の4ブランドが取り扱っており、特に「バブ」は炭酸ガスを配合した入浴剤では長い歴史を持ちます。オーソドックスな入浴剤の「バブ」、スキンケアタイプの「バブ for SKIN」、高濃度炭酸ガス入浴剤の「バブ・メディキュア」などがあり、香りも単体の香りから4つの香りのアソートタイプまであります。

エモリカ」「ビオレU」「キュレル」はともににごり湯タイプの液体入浴剤があり、肌トラブルを緩和したり、肌に潤いを与えるスキンケアタイプです。

 

バスクリン

バスクリン」は昭和初期から当時の「津村順天堂(のちのツムラ)」時代からある入浴剤で、現在は後ほど紹介するアース製薬の子会社化になってからも、多くの方に愛されているロングセラー商品です。会社名も「バスクリン」に変更になりました。

入浴剤では「バスクリン」「きき湯」「ソフレ」「日本の名湯」などがあり、主力商品の「バスクリン」は定番のゆずやジャスミンなどのベーシックな商品だけでなく、スキンケアタイプ、温泉気分タイプなどさまざまなラインナップがあります。

「日本の名湯」は当時の「ツムラ」時代から発売されているロングセラー商品で、実際の温泉地を訪れて、成分を分析しながら、温泉気分をお湯の色や香りで表現されています。

「きき湯」は炭酸ガスの入浴剤ですが、こちらは粒状タイプの商品です。

 

アース製薬

アース製薬」は大手の製薬会社ではありますが、薬は扱っておらず、殺虫剤がメインとなっています。他にもマウスウォッシュなどの衛生用品や園芸用品などを扱っています。

入浴剤は殺虫剤商品に次いで2番目のメイン商品で、「バスロマン」「温素」「ウルモア」「温泡」などがあります。「バスロマン」は粉末入浴剤、「温泡」は炭酸ガス入浴剤ですが、いずれも温浴タイプやスキンケアタイプ、無添加タイプなどのラインナップがあります。

 

白元アース

白元アース」は当時の「白元」時代から防虫剤や入浴剤などを販売している日用品メーカーで、現在はアース製薬の子会社となっています。

入浴剤は「HERSバスラボ」「いい湯旅立ち」などがあります。「HERSバスラボ」はスキンケアタイプの薬用入浴剤で、炭酸ガスタイプとボトルタイプがあります。「いい湯旅立ち」は温泉気分タイプの入浴剤で、粉末タイプと炭酸ガスタイプがあり、粉末タイプは4つの香りのアソートパックとボトルタイプがあります。

 

入浴剤を選ぶ際の注意事項

入浴剤を使う際にはいくつかの注意事項があります。入浴剤に表示された注意事項をよく読み、正しく使用してください。

 

残り湯の洗濯について

入浴剤を使用した残り湯の洗濯は可能です。しかし、すすぎや柔軟仕上げ剤を使用する際は残り湯ではなく、清水(水道水)を使いましょう。普通の洗濯でも入浴剤によっては色がついてしまう恐れがありますので、注意が必要です。

 

植物の水やりはNG!

入浴剤を使った残り湯は植物に悪い影響を与えるため、植物の水やりはNGです。

また、金魚や熱帯魚の水として利用するのは、入浴剤の成分によっては金魚たちが死んでしまう恐れがあるため、絶対に使わないでください。

 

給湯機器によっては使えない場合がある

風呂釜などの給湯機器によっては入浴剤が使えるものと使えないものがあります。特にエコキュートやジェットバスなどの新しいタイプの給湯機器では注意が必要で、機器によっては故障する恐れがあります。

入浴剤を使う際は、必ず給湯機器の会社や集合住宅の管理会社等に確認してください。

 

浴槽の種類によっては使えない場合がある

一般のおうちにある浴槽のうち、ホーローやステンレスなどはほとんどの入浴剤の使用が可能です。しかし、天然の大理石は浸透性があり、シミになる恐れがあるため、絶対に使わないでください。

木製の浴槽は基本的に入浴剤の使用は可能ですが、種類によっては色や白濁成分が付着する恐れがありますので、使う際は木製風呂を取り扱っている業者や住宅メーカー、集合住宅の管理会社に確認してください。

 

他の入浴剤と併用しない

当たり前のことですが、他の入浴剤を併用して使うと、それぞれの商品の特性を損なったり、効果が落ちる場合があります。お湯の色や香りの方でも違う種類の入浴剤を併用してしまうと、色も香りもおかしくなります。

 

入浴以外の用途には使用しない

入浴剤は入浴以外の用途には使用しないのが基本です。

 

このブログを運営する者としては、ある入浴剤が巻き込まれたショッキングな事件について触れなければなりません。今回はそれをお伝えしたいと思います。

 

六一〇ハップ」事件

入浴剤はかつては「医薬品」の商品がありました。

愛知県にある「武藤鉦(むとうしょう)製薬」が発売していた六一〇ハップ(ムトウハップ)」はイオウなどを配合した「医薬品」の液体入浴剤で、1927年(昭和2年)に発売されました。効能は医薬部外品で定められた17種類をはじめ、水虫やかいせんなどが表示されており、疲労改善やアトピーにも効果があると言われ、長年多くの方に愛用されていました。入浴だけでなく、アクセサリーを作っている業者のいぶし銀の加工にも使われていました。

しかし、2007年(平成19年)ごろから、インターネットを通じて、「硫化水素ガス」を発生させることによる自殺への使用が多発され、硫化水素ガスを発生させる原料として「六一〇ハップ」が使われていました。

これを機に2008年(平成20年)に薬局やドラッグストアで「六一〇ハップ」の販売が自粛され、売り上げが大幅に減少しました。同時に後継者不足などの会社の事情も重なり、販売が中止となりました。

六一〇ハップ」が店頭から姿を消すと、多くの愛用者から存続を望む声がありましたが、会社側は残っている在庫を販売した後に、商品は完全に姿を消しました。

 

名前も知らない1人の心無い行動が、大切な商品をつぶしてしまい、会社の信用まで失ってしまう結果となったのは本当にあってはならないことです。特に人の命を失う行為は許されることではありません。

 

入浴剤はほとんどの商品でイオウは使っていませんが、一部の商品では硫黄成分を使ったものもあり、これ以上、第2の「六一〇ハップ」を増やさないためにも、入浴以外の用途には絶対に使用しないでください!

 

まとめ

入浴剤は入浴の際に浴槽のお湯の中に投入する物質で、薬機法では医薬部外品と化粧品の2種類があります。どの分類にも入らない雑品の入浴剤もあります。

入浴剤は粉末や炭酸ガスなどの形状や香り、お湯の色、温浴やスキンケアなどの季節や症状に合わせた入浴剤の系統などがあり、それぞれ特徴があります。なお、入浴剤を使用する際は浴槽や風呂釜などに影響することがありますので、必ず商品の説明をよく読んで正しく使用しましょう。

 

 

*参考サイト*

入浴剤の効果とメカニズム(日本浴用剤工業会):https://www.jbia.org/knowledge3.html

ウィキペディア(入浴剤):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%A5%E6%B5%B4%E5%89%A4

法規・表示(日本浴用剤工業会):https://www.jbia.org/safety7.html#:~:text=%E5%85%A5%E6%B5%B4%E5%89%A4%E3%81%AF%E3%80%81%E3%80%8E%E5%8C%BB%E8%96%AC%E5%93%81%E5%8C%BB%E7%99%82,%E3%81%A4%E3%81%AB%E5%88%86%E9%A1%9E%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

入浴剤の形状と包装(五洲薬品):https://www.goshu.co.jp/bathoem/package/

入浴剤のおすすめはどれ?入浴剤の種類と特長について(お風呂なび(アース製薬)):https://www.earth.jp/ofuro/bath-agent/001/index.html

炭酸入浴剤とは(日本生化学):https://www.japan-bio.com/point/carbonated-bath-salt.html

【2022年】温泉の素のおすすめ人気ランキング18選【徹底比較】(mybest):https://my-best.com/69

香りで選ぶ入浴剤!おすすめの選び方とは?(お風呂なび(アース製薬)):https://www.earth.jp/ofuro/bath-agent/004/index.html

アース製薬 入浴剤 香り&お湯色一覧表(アース製薬):https://www.earth.jp/bath-agent/pdf/bath-agent-type.pdf

おうちのバスタイムを楽しく!子供が喜ぶ入浴剤のお勧め教えてください。(G-Ranking):https://pmall.gpoint.co.jp/g-ranking/ranking.php?themeid=40398

入浴剤(花王):https://www.kao.com/jp/products/bathpowder/

製品情報(バスクリン):https://www.bathclin.co.jp/products/

入浴剤(アース製薬):https://www.earth.jp/bath-agent/index.html

入浴剤(白元アース):http://www.hakugen-earth.co.jp/products/bathlab/index.html

こんな時には(日本浴用剤工業会):https://www.jbia.org/faq01.html#faq06

浴槽・風呂釜への影響(日本浴用剤工業会):https://www.jbia.org/safety4.html

洗濯への影響(日本浴用剤工業会):https://www.jbia.org/safety6.html

動植物・農作物への影響(日本浴用剤工業会):https://www.jbia.org/safety2.html

自殺に使われた「ムトウハップ」製造中止 「やめないで」存続望む声続々(J-CASTニュース):https://www.j-cast.com/2008/11/26031008.html?p=all

ウィキペディア六一〇ハップ):https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%AD%E4%B8%80%E3%80%87%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%97

機器への安全性について(バスクリン):https://www.bathclin.co.jp/support/bath_products/kigu01/